ドラマの中で歌われるこの歌は、本来労働者が仲間とスクラムを組んで歌う合唱曲です。ドラマでは鎮魂歌として使われました。主人公の祖父が戦後三池炭鉱でどんな生き方をしていたかが偲ばれる場面でした。
では「炭掘る仲間」とはどんな歌でしょうか。
「炭掘る仲間」作曲/小林秀雄 作曲/三鉱創作グループ
みんな仲間だ炭掘る仲間
ロープ伸びきるまおろし切り羽
未来の壁にたくましく
このつるはしを打ち込もう
みんな仲間だ炭掘る仲間
闘い進めた俺たちの
闇をつらぬく歌声が
おい聞こえるぞ地底から
みんな仲間だ炭掘る仲間
つらい時には手を取り合おう
家族ぐるみの後押しが
明るい明日を呼んでいる
みんな仲間だ働く仲間
煙る三池の縦横結ぶ
旗に平和としあわせを
三池炭鉱労働者
三池炭鉱労働者
三池炭鉱労働組合(三鉱)は、1956年(昭和31年)に組合歌歌詞を公募し最終的には集団創作となって世に出ました。当時三池製作所の工員だった労働者作曲家荒木栄さんも参加したそうです。故荒木栄については港健二郎さんが映画「ひだるか」にしていますのでそちらもご覧になってください。
荒木栄とは、1960年前後の三池争議中に働くものを励ます労働歌を短い間に70曲つくって38歳で夭折した労働者作曲家です。米の山病院駐車場に記念碑があります。「がんばろう」などご存知の方もいらっしゃるでしょう。
写真は万田坑の展示場に飾ってある三池炭鉱労組のレリーフで「団結、抵抗、統一」と書いてあります。
ドラマではヒロインが犬に追われ万田坑に入って「なんばしよっとか!(何をしてるんだ)」と職員からとがめられ逃げる場面がありましたが、これはドラマ上のこと。本当は世界遺産登録を目指して整備され一般公開されています。
入館料400円で元鉱夫の方の案内が付きます。根掘り葉掘りこちらの素性も聞かれますが、田舎ですし許してください。
中国、韓国からも来館者があるそうです。彼らの祖父の世代は思い出すのも嫌な場所でしょう。
三井三池は終戦間際に中国、朝鮮から人夫をかり集め強制労働をしいました。山を掘って空襲から工場を隠そうとしたのです。彼らが押し込められた馬渡社宅も今やショッピングセンターです。社宅もみんななくなってしまいました。
世界遺産の条件として炭鉱電車の復活、三池港の整備、竪坑の安全対策とかがあるそうです。ファーストシーンはレールがなくなった炭鉱電車路線跡です。自転車は無理。私が幼少のころは釘を電車に引かせて手裏剣を作りましたね。
このドラマの最大の功績は三池の負の遺産の発見だと思います。囚人労働から三池闘争などまさに日本資本主義激動史です。
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