2011年5月8日日曜日

「見知らぬわが町 」を思う 万田坑にて HD


「見知らぬわが町」5月5日全国放送ついに!
 ドラマ「見知らぬわが町」再放送をやっと見ることができました。噂以上の力作でした。三世代の家族の物語にしたこと、主役を優等生にしなかったこと、CO患者の祖父の思いをドラマの中核にしたこと、いしだあゆみを祖母役にし祖父の思いを代弁させたことなどが成功の要因だと思います。私は中盤で泣きました。
 主人公が三池炭鉱の囚人労働に関する遺物を求めて、藪の中をかき分け「倶絵一処」の石碑を発見するくだりは原作で最も感動的なところであります。囚人を社会復帰させるため尽力された佐伯シャンの碑だからです。
 祖父の葬儀で昔の組合の仲間が弔問し組合歌「炭掘る仲間」を合唱する場面では万感の思いがあふれる最も感動的な場面でした。万田坑、宮原坑、三池港などこの地方ならではの風景がドラマに生きています。フィルムライクなのでたぶん一眼デジタルで撮影されていると感じましたがこの町特有の色や夏の暑さも感じる絵作りです。ラストシーンは???ですが許しましょう。
 あえて注文をつけるならば、「福岡日報」記者が言う三池闘争50年の解説で「石炭産業がだめになって労働者がリストラされた…」は違うのです。アメリカの要請で国が石炭から石油へエネルギー政策を大転換したからです。リストラは露骨な労組つぶしで会社は労組の分断に血道をあげ指名解雇を断行したのです。争議中には会社から雇われた右翼暴力団が久保さんを殺害しています。この争議は総資本対総労働のたたかいと言われ今でも語り継がれています。
 いや三池闘争は今日に生きています。
 世界遺産登録の動きもあり注目される三池。ドラマは三池に住む人々の思いを伝えています。
 みなさん大牟田、荒尾へ三池炭鉱跡へおいでください。

0 件のコメント:

コメントを投稿